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銀座おとな塾レポート



銀座おとな塾 1 桜守が語る 桜の都合


日 時:4月3日(土)14時~16時
講座内容:第一回記念講演 「桜守が語る 桜の都合」
      *京都・鶴屋寿 の桜餅+佐野家の桜香煎つき
講師:佐野藤右衛門 (桜守)

受講料:オープニング記念イベント価格: 3150円

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こちらが今回の「桜守が語る桜の都合」のポスター。

(あれ?4/2(土)って書いてないか?あれれ?まあ、いいか。にひひ

今回は銀座おとな塾と和の学校とのコラボ企画「京都のこころを銀座で学ぶ」の、記念すべき第一回目ビックリマーク

定員80名のところ、ほぼ満席の状態でした。

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はじめに
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まずは和の学校の吉田さんによる和の学校の説明。

今は和の文化が失われかけている、100年後のことを考えて活動したい、という故伊住政和校長 の意思を受け継いで和の学校が発足したこと、この風土があったからこの文化ができたのだということについてお話がありました。

今日の講座の佐野藤右衛門先生は、素敵な男性の中でも上位に入る、粋でかっこいい男性です、とのご紹介でした。

その佐野先生曰く、自身は表現が荒っぽく、セクハラ用語が大好き目、だそうです。
オスメスの話を人間の世界に置き換えると、どうしてもセクハラ表現になってしまうそうで、本当のことが伝わらず、表面的なことばかり伝わってしまう。だからあまりしゃべらないようにしている、テレビにも出にくいと笑いながらおっしゃっていました。

以下は佐野先生の講座のまとめです。あまりに豊富なお話の数々で、まとまらずにいくつかカットした話もありますが(後日あらためて追加レポートしようかと思います)、それでもお話の魅力は伝わるかと思います。音譜

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第一部:佐野藤右衛門先生による講座
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佐野先生の講座風景です。


【桜も人も単一化、人工的で機械的に】
佐野先生は、最近はあらゆるものが単一化し、人工的で機械的な風景、生活になってきているとまず初めに憂いておられました。

たとえば杉。人のために良いからと植えまくった結果、日本中杉だらけになってしまい、そのせいで杉につく虫や鳥ばかり異常発生するなど生態系がくるってしまったそうです。

桜もそうで、ソメイヨシノばかりになってしまったとのことです。

ソメイヨシノは、種ができない桜なので、種や蜜を求めるような鳥や虫が集まらず、葉を好むチャドクガや毛虫ばかりが寄ってくる事態になっているそうです。

人も人工的で機械的な生活が当たり前になっているといわれました。
確かに、電磁調理器や湯沸かし器を使ったり、機械に頼った生活をしているなと思いました。

中でも、食べ物ひとつ買うのでも、実際に作った作り手との会話がないまま買っている人が増えた、という話にはドキッとしました。
確かに、スーパーなどでパックに入った野菜や品物を買うことが多いです。
作り手さんと会話しながら買いたい!とあらためて思いました。


【ソメイヨシノよりヤマザクラ!】
佐野先生は一年中ほとんど山を歩いていらっしゃるので、特に人工的で不自然な場所が窮屈で苦手だそうです。

そして、人工的に作られるソメイヨシノよりも、自然に増えるヤマザクラが好きだとのことでした。

昔の日本は、ヤマザクラとヒガンザクラが主でした。
それらはきちんと受精をしていきます。
自分の種から大きくなり、一番強い力をもったものが残っていきました。
受精を媒介する鳥や虫が様々な花をまわるおかげで、いろんな花粉が混ざります。
そうやってたまたまオオシマザクラとヒガンザクラが混ざってできたのがソメイヨシノなのだそうです。

人気のソメイヨシノは枝先を太らせているだけで、種子で自然に増えることがありません。
全て人の手で接木(つぎき)などで増やしたものです。
だから、ソメイヨシノはどこを見ても同じ。
個性も毒性もないそうです。
昔は100年もちましたが、接ぎ木を繰り返し、だんだん寿命が短くなっているようです。


【桜の面白い発見】
先生は各地を歩いては桜を調査してまわっていて、いくつも面白い発見をされているそうです。

基本的な桜の花びらは5枚。しかし、中には365枚なんてのもあるらしいです。
(それはメシベもオシベもなく全部花びらだそうです)

花びらが増える時は、メシベやオシベが変化するそうで、変化している最中の珍しい写真も見せていただきました。

桜は本来は細いものだけれども、時々先祖返りをしている桜を発見することもあるようです。

面白い発見は、桜本体だけではなく、桜の分布場所などにもあります。

たとえば、ヤマザクラは小鳥が運んでくれます。
小鳥の生息地域はだいたい地表から300mくらいまでで、それ以上は猛禽類に変化します。
だから、桜の木がなくなってきたら300m以上かな、と大体いま山のどのくらいの高さにいるかわかるそうです。

しかし例外もあります。
北海道の利尻にあるエトロフザクラという桜は800mくらいの場所に咲いているのです。
これは越境した鳥がやっととまれる場所だからだそうです。

このように同じヤマザクラでも気候風土によって全然違います。

こういう面白い発見を見つけに、先生は日本各地を回っておられます。
桜の珍しいものを発見すると、ピンセットで1枚1枚数えたり詳細に記録にとるそうです。


【桜の見分け方、名前のつけ方】
桜の見分け方や、新しい品種を見つけた場合の名前の付け方などについても教えてくださいました。

見分け方としては、まず幹を見てわかるそうです。
ヤマザクラは幹がヨコメ。
ヒガンザクラはタテに割れている。
オオシマザクラはヨコメが粗い。
ソメイヨシノはタテとヨコが出る。
とのことです。

それから、
しだれ桜はだいたいヒガンザクラ系。
寿命が長いのがヒガンザクラ。
だそうです。

桜の名前は、見つけた人の名か、見つけた場所の名か、物語に由来する名の場合がほとんど。
中には、佐野先生が見つけたので「サノサクラ 」という桜も存在するそうです桜

【桜をもっと楽しんで!】
最後に佐野先生は、自生の桜をもっとちゃんと見るようにして、桜を楽しんでくださいとおっしゃっていました。

桜は下を向いて咲くので花の中を見やすい。
ソメイヨシノはダメで、面白いのは自生の桜だけなので、是非山に行くといい。
今の時期、桜の咲く頃には人間に危害を与える虫は出てこない(5月頃に出てくる)ので、どんどん見に行ってほしい、とのことでした。

そして、花びらがメシベから変化した品種を見つけたら、詳細に調べるので教えてほしいですとのことでした。

もしかしたら、自分の名前がついた桜が誕生するかもしれませんよ合格

私はソメイヨシノでもなんでも、桜ってキレイだなぁとただ眺めて見ているだけだったので、お話をうかがって、意識が変わりました。
これからは、桜を漠然と楽しむだけでなく、花びらもじっくり見てみたいと思いました。

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第二部:ほっこりタイム
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講座の後には毎回恒例の「ほっこりタイム」。
楽しいおやつと質疑応答の時間です。

今回のほっこりタイムに出たおやつは、鶴屋寿の桜餅佐野家の桜香煎茶でした。

佐野先生は桜の葉を食べるのは虫だけだといい、葉は食べないらしいのですが、今回の桜餅は中身と葉がくっついていて食べざるをえなかったです。
道明寺餅に餡が入っている、関西の桜餅でした。
(うっかり全部食べてしまいまして、切って中を見せた状態の写真を撮り忘れました。あせる

ちなみに、佐野家の桜香煎茶はこんな形でお土産でいただけました!

右はキレイなピンク色の桜香煎茶ですが、左の黄色の方が実は珍しい「御衣黄(ギョイコウ) 」という桜で作られた桜香煎茶だそうです。

お湯を入れるとパッと桜の花が咲いてとても綺麗でした。

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来月の講座は5月9日(土)の予定です。

また楽しくてためになるお話をレポートできればと思います。

( 2010/04/03 14:05 pm )